水道職人が教える! 地域密着
水回りお役立ち情報
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洗面台に指輪を
落としてしまったら水を止め、奥に流さない
「洗面台の排水口に指輪を落としてしまったんですけど、取れますか」。手や顔を洗っているときに、いつのまにか指輪が外れてしまった。また、近くに置いて、うっかり落としてしまったという問い合わせをよくいただきます。
そのようなときは、すぐに水をストップ! 大切なものなら、なおさらです。それ以上、水を流さないことが、最善の救出策です。
洗面台の排水管はS字の形をしており、小さいものはこの曲線部分に留まっていることが多いです。パイプを外してみると、キャップや歯間ブラシなど意外といろいろなものが出てきます。ここなら、簡単に取り出すことができます。
けれども、先に流されてしまったら、残念ですが取り出す術はありません。そうならないよう、まずは水を止めることです。洗面台つまりの原因は、
小さな落下物洗面台の詰まりは、比較的小さな落下物が原因となります。そこに髪の毛や皮脂汚れが絡まって、つまりを起こします。
そこで、排水口への落下防止、洗面台の詰まり防止に役立つのが、排水口に取り付けるカバーやゴミ受けです。100円ショップやホームセンターで、簡単に購入できるのでオススメします。 (ワンプッシュ式の排水口は設置できない場合もあります)
排水口の掃除も楽になります。
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もしトイレが詰まったら
もう流さないで! 排水能力低下
携帯や眼鏡を落とした! トイレットペーパーが流れない! などトイレが詰まったと思ったときは、とにかくそれ以上水を流さないことが第一の対処法です。
便器の中に目いっぱい水を貯めた量とタンクの貯水量は、ほぼ等しい設計になっています。となると、詰まっている状態で2回目を流すと当然あふれます。以前に、深夜にあるおばあちゃんから「2階のトイレに尿もれパッドを落として詰まってしまった」との問い合わせをいただきました。そして、「長靴を持ってきて」とのこと。 お宅に伺うと、水は便器からあふれ足首ほどの水位で、1階の天井裏から水がもれている状態でした。
お聞きすると、焦って水を3回も4回も流してしまったそうです。ラバーカップは
ペーパー詰まりだけトイレが詰まると便器の中の水位があがってきて、焦るのは当然です。思わず、水圧で流そうとタンクのレバーに手が伸びてしまいますが、まずは冷静に。詰まりが解消できなかった時の惨事を想像してみてください。
次に自分でできる対処法として、ラバーカップの使用があります。このとき注意してほしいのは、詰まりの原因がトイレットペーパーのときだけ使用をオススメします。詰まりが解消することもあります。
しかし、それ以外の異物が詰まったときは、逆効果になるので使用しないようにしましょう。検尿カップやパッドなども同様です。
ラバーカップを使用すると、異物がどんどん奥に行き、取りづらくなります。便器の上から取れたものが、便器を外さないと取れなくなり、大作業になります。最後に、もしトイレがつまったら
1.水は絶対に流さない 2.ラバーカップはペーパー詰まりのみ
この2つを思い出してください。
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地下水を水源とする地域の方へ
水回りの白い汚れの原因は
電気ポットの底や加湿器などに付着する白い汚れに悩まされたことはありませんか。なかなか落ちないやっかいな汚れですが、きちんと性質を理解すれば、すっきりと落とすことができます。
この白い汚れは、「カルキ汚れ」と呼ばれ、水道水に含まれるマグネシウムやカルシウムなどのミネラル成分が固形化したもの。ミネラル成分は、水道水から水分が蒸発した後に残り、徐々に 蓄積されて固まるという特徴があり、放っておくと頑固な汚れになっていきます。
こうしたカルキ汚れは、水源として地下水を利用している地域でよく見られます。当社が対応する野々市市の水源は、全体量の約5分の4は地下水を利用しています(※)。そのため、カルキ汚れが見られるご家庭もあると思います。安全性に問題はありませんが、やはり、飲料用の器具や水回りはきれいにしておきたいものです。
クエン酸で汚れとサヨナラ
白い汚れ=カルキ汚れは、アルカリ性の成分なので、酸性の物質に弱く、汚れが落ちやすくなります。オススメなのが粉タイプのクエン酸です。調理器具や飲料用の器具に使っても安心で、臭いも残りません。固まった汚れを落とすときは、ブラシやたわしなどでこする前に、汚れを柔らかくすることがポイントです。
クエン酸を溶かした水で塗らしたキッチンペーパーを、カルキ汚れが付着しているところに数分程度貼付。ポットの中ならクエン酸を溶かした水を沸騰させ、約1時間放置。時間を置くと、汚れが落ちやすくなります。汚れがなかなか落ちない場合は、クエン酸の含有量を増やしてみるといいでしょう。
とはいえ、汚れが固まる前のひと手間、こまめなお手入れがもっとも効果的です。
※野々市の水について:野々市市ウエブサイト
https://www.city.nonoichi.lg.jp/
(参照2022.03.25)
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⽩⼭市でのあるトラブル
サビによる劣化に注意
以前に、⽩⼭市のあるお宅から「緊急でお願いしたい」との問い合わせがありました。伺ってみると、キッチンの蛇⼝の吐水口が根元から折れていました。
原因は、サビによる劣化。この地域は、霊峰⽩⼭を源とする伏流⽔を使⽤しており、鉄分が多いことからサビが発⽣しやすく、それが⼀因と考えられましょう。また、聞けば 4 年前、ホームセンターにお願いして蛇⼝をつけてもらったとのこと。量販店⽤とメーカー正規品
⽔道の蛇⼝やシャワー⽤品など⽔まわり製品には、量販店⽤とメーカー正規品の仕様があるのをご存じですか? メーカー正規品は、いわゆるメーカー純正品。一方、ホームセンターや家電量販店などで販売しているのは、店舗にもよりますが量販店仕様が多いです。
量販店⽤は同じメーカーの製品でも、⽐較的価格が安いというメリットがあります。そのため、材質が異なることがあり、材質が違えば性能や耐久年数も変わってきます。その違いは⾒た⽬ではわかりません。(⼀般にメーカー正規品の耐⽤年数は 10 年と⾔われています)。
それぞれメリットがあるので、どちらを選ぶかはお客様次第で、当社ではお客様の希望に応じた施工を行っています。
⽔道は重要な⽣活インフラ。中でもキッチンの蛇⼝は使⽤頻度が多いので、急なトラブルが起きないよう耐⽤年数や性能を考慮して選ぶことをおすすめします。
サビの対処方法としては、もし、蛇⼝のメッキ部分に、緑がかったサビのようなものを⾒つけたら、すぐにご連絡ください。早めの対処が⼤切です。
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冬はキッチンがつまりやすい!?
動物性脂に注意
台所の排水の流れを悪くするもっとも多い原因は、油脂です。
特にバターや肉の脂身などに含まれる動物性の脂は、冷えると固まる性質があり、気温が下がる冬は固まりやすく、つまりを起こしやすいのです。
揚げ物で使った油はきちんと処理していても、油を含んだ煮汁やフライパンや食器に付着した油をうっかり流していたことはありませんか。 それだけでなく、食器などを洗った排水に含まれた油脂は蓄積すると固まります。それを放っておくと塊が大きくなり、水の流れを悪くします。
以前、キッチンの下から水が溢れてくるとのことで伺ったお宅で、屋外にある排水枡を確認すると白くなった脂がごってり。長年の蓄積です。シンクの下の蛇腹の排水ホース(シンクの下にあるギザギザとしたホース)を外すと、そこにも脂が付着。ギザギザ部分に汚れが溜まり、ここもつまりやすい場所です。
※実際の様子を「施工事例」で紹介していますので、ご覧ください洗剤では未解決、
トラブルを防ぐには排水管を掃除するさまざまな洗剤が市販されていますが、多くの商品は、ヌメリや菌の除去に効果があり、脂の分解は期待できません。
そこで、脂の蓄積を防ぐためには、当たり前ですが、脂を流さないこと。脂汚れの食器を洗うときは、キッチンペーパーなどで拭き取ってから洗うといいでしょう。
次に、定期的に屋外にある排水枡を掃除しましょう。ゴミや油脂が浮いていたら除去。清掃の周期は家庭によってさまざまですが、油料理が多いご家庭ほど早めに気にかけてほしいですね。
マンションでは、1年1回排水管清掃を行うことが推奨されています。
飲食店では、厨房の排水に含まれる残飯や油脂などを分離する「グリストラップ」という装置の設置が義務付けられ、店に拠りますが、週1回から月1回のサイクルで清掃しています。排水設備は、これほどまで手を掛けている場所なのです。
一般家庭では個々の判断によるので、気温が下がる冬は注意を払ってください。 そして、「おかしいな」と思ったら、すぐにご連絡ください。
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冬は要注意!
水道管や蛇口の正しい凍結予防凍結は室内でも起きる
気温が零度を下回ると水が凍るのは、みなさんもご存じの通り。
北陸の厳冬期は、家の中も気温が下がります。
長時間人がいるリビングは暖房で室内の温度が下がりにくいため、キッチンの水道は、それほど心配はありませんが、浴室や洗面所、トイレは注意が必要です。数年前の大雪時、凍結による膨張で、ユニットバスの蛇口が破損したという問い合わせを何件かいただいたことがありました。
中には、解凍時に水が噴き出し、蛇口のレバーが吹き飛んでいたケースもありました。
「水道管の凍結に注意」というニュースが流れたときには、屋外はもちろん、納屋や室内の水道にも注意を払いましょう。凍結を防ぐ万全予防策
予防方法として、室内(浴室、トイレなど)は、まず窓を閉め、室温の低下を防ぎます。
屋外では、むき出しになっている水道管や蛇口をタオルや保温材などで巻くのも一つの方法ですが、気温が低くなるほど効果は低下します。
冷え込みが予想される場合は、室内も屋外も、ポタポタと水を出しっぱなしにするのが万全な凍結予防です。
その際、冷水の管とお湯の管の両方から供給するようにレバーを調整してください(ぬるま湯で可)。 水は同じ場所にとどまると凍っていくので、流し続けることで凍結が起こりにくくなります。
水道料金が気になるところですが、一晩少量の水を出し続けても、修理代よりはるかに安くつきます。
冬は水が出なくなったら要注意!
どこかで破裂している恐れが。そうならないようにしっかりと予防しましょう。